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導入事例

CASE.3
女性に優しい会社から、
女性が活躍する会社へ

大日本印刷株式会社 様
Client :
大日本印刷株式会社

設立:1876(明治9)年10月9日
資本金:1,144憶6,400万円(2018年3月31日現在)
従業員数:38,627名(大日本印刷㈱ 10,775名)
主な事業組織:出版メディア事業部、情報イノベーション事業部、
イメージングコミュニケーション事業部、包装事業部、生活空間事業部、
モビリティ事業部、高機能マテリアル事業部、ファインオプトロニクス事業部、
ICC本部、左内町営業部、hontoビジネス本部、MEMSセンター、ABセンター
HP:https://www.dnp.co.jp/

金田由美氏
ダイバーシティ推進室 シニアエキスパート

取り組みに至る
背景・きっかけ

清水:本日はよろしくお願いいたします。
貴社の女性活躍推進、ダイバーシティのお取り組みについて、
先日のイベントでお話いただきましたが、
(※先日のイベントの様子はこちら)
もっとお話を聞きたかった、質問をしたかったとの声も多数いただきました。
貴社もこのたび、女性初の執行役員が誕生されたということですので、
そのあたりも含め、お取り組みについてもう少し内容を
詳しくお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

次世代の女性リーダー育成の研修について、
初めに、取り組みに至る背景・きっかけなどお聞かせください。

 

金田:大日本印刷では、ダイバーシティの中でも、
女性活躍推進の取り組みは12年前頃からスタートしております。

<第1ステージ:2000頃-2008年>
実際のスタート時は、施策というよりは、初めに女性社員の採用数を増やし、
職域を拡大し、これまであまり女性が活躍していなかった、
最前線である営業部門や工場の技術部門にも多く配属をするようになりました。
職場からも、女性は真面目でしっかりと責任を持って仕事をしてくれると
受け入れられるようになって、5~6年ぐらいは順調に育っていきました。

しかし、30歳前後のライフイベントの時期が近づいてきた時に、
「結婚後も子育てしながら働けるのか」と両立に不安の声が上がってきました。
あの頃は、30歳前後が再就職できるチャンスと言われるような時代でしたので、
再就職ができる年齢の間に、ワークライフバランスが取れる会社へ転職をと考えたのか、
退職者が増えてしまいました。
これではいけないと思い、採用だけではなく、きちんとケアができるようにと、
新たなプログラムをスタートさせることとなりました。

<第2ステージ:2009-2011年>
2009年から、今のプログラムの先駆けである「メンター育成プログラム」をスタート。
スタート時は、営業部門を対象に、女性社員が悩んだ時に相談できる人、
相談できる体制を作ろうということで、「メンター制度」がスタートしました。
不安にさいなまれた人たちが、狭い視野の中で考えて
ネガティブな決断をしてしまうのではなく、
視野を広げてくれる同じ道を歩んだ女性の先輩に相談できる体制を構築しました。
営業職の女性メンターを育成し、部門を超えたロールモデルや、
気軽に相談できる先輩の見える化を行い、
キャリアについて相談できる体制をつくったことで、
女性営業職のネットワークができ、退職者が減り、定着。
営業部門で成果が出たため、2012年より全職種に展開することになりました。

<第3ステージ:2012-2015年>
それまで、男性中心の職場で、女性は常にかわいがられる存在であり、
自身がリーダーシップを発揮するという意識が薄かったのですが、
メンターとして育成された女性社員は「後輩指導」という新たな視点を学び、
本人もリーダーとしての自覚が出てくるようになりました。
さらに、メンターとして育成された女性社員に、今まで接する機会のなかった、
違う事業部の本部長クラスの方をメンターにつけることで、
メンタリングによる成長を実感してもらうと共に、経営視点を学ぶことができ、
「管理職」に対するネガティブなイメージが徐々に払拭されてきました。
時代の後押しもあり、その頃から課長クラスへと昇格する人が増えてきました。

 

清水:最初の女性メンターの方々へ、
男性の本部長をメンターにつけることへ戸惑いはありませんでしたか?

金田:自分の直属の部署の本部長ではない、他事業部の本部長であり、
本部長も自分の直属の部下ではないため、初めて顔を合わせる、初めて話をする、
何もかもが新鮮で、良い意味で仕事の面白さに焦点をあてることができたと思います。
この取り組みは、8年間「メンター育成プログラム」という名前で続きましたが、
2014年頃からは、次世代の課長・リーダーを育成する研修へと変化していきました。

清水:女性メンターに、さらに本部長クラスの方がメンターとして
関わる制度が8年間続いたわけですね。
具体的にどんな取り組みだったのでしょうか?

金田:初めは、1対1のメンタリングではなく、
女性チームを1人の本部長が担当する形でした。
職域を拡大した頃から、本部長が1対1のメンタリングを行うようになり、
女性メンターも自分自身がメンタリングを受けながら、
後輩のメンターとしての役割を担ってくれていました。
また、本部長自身も新たに「ダイバーシティ推進者育成プログラム」という研修を受けながら、
女性メンターを指導していくことで、気づきがたくさんあり、
効果は非常に高い取り組みとして継続してくることができたと感じています。

 



検討プロセス・実行施策
(2016年―2018年)

清水:初めは、退職者を減らすことから女性メンターという取り組みをスタートしたと思いますが、女性メンターの方々を次世代のリーダーへ育成しようと思ったきっかけは何ですか?

金田:2015年に女性活躍推進法が制定されましてその際に、
大日本印刷株式会社は、「女性の採用は多いが、管理職・リーダークラスで活躍していない」
ということが会社の課題として診断されてしまいました。
そこで、管理職・リーダー層の数を増やすことを目標に掲げ、
女性社員の育成の方法を再考し、研修の内容も、
管理職・リーダーとして必要なスキルの習得へと施策を転換することにしました。

現場の部長クラスにリサーチしたところ、
「優秀だけど頼りない」「組織より個人重視」との声が多く聞こえ、
組織人、企業人としての教育が必須だと感じました。
また、女性社員からは「大きい仕事は自信がない」との声も上がり両者の課題を分析した結果、
管理職・リーダーとして必要なスキルを身につけ、管理職のネガティブイメージを払拭し、
「やってみたい、できそう」と思えるように
自信をつけるプログラムを作り上げたいと考えていたところ、
WisHの講師と巡り会い、現在の「次世代女性リーダー育成研修」を
スタートすることとなりました。

清水:男女によって、任される仕事に違いはあったのですか?

金田:残念ながら女性は、男性のサポート役の体制が多い傾向はありました。
担当業務によっては、残業や転勤、出張が多く時間的な制約、地域的な制約もあり、
女性にはかわいそうだと、本人の意向を確認することなく、その当時は対応していたようです。

清水:上司の方は、男女で経験、能力開発の機会に偏りがあるという自覚はありましたか?

金田:自覚はあったと思いますが、それが優しさだと思っていたと思います。
その優しさは、マネジメント上の配慮であり、
成長の機会を奪っているとは自覚していなかったと思います。
女性社員自身も、転勤、出張に躊躇する人や、
ライフイベントと共に外勤から内勤へと移ることを希望するケースもあり、
「優しさ」はお互いにとってWinWinになっていたところもありました。

清水:経験、能力開発の機会が与えられてこなかった部分を「研修を通して」
身につけることができるようなプログラムを作り上げたのですね。
当事者の女性たちの反応はどうでしたか?

金田:女性に優しい会社だと思っていたところが、
成長や活躍の機会が奪われていたかもしれないことに気づき、驚き、発見だったと思います。
すると、「挑戦してみたい」という気持ちが自分の中にあることに気づいた人は、
積極的に意思表示をし海外転勤、単身赴任をする女性も増えてきました。

清水:「もっとこういう事をしてみたい」と前向きな女性が増えてきたのですね。

金田:女性の昇進意欲向上には、直属の上司の後押しが大きいと思っています。
現在では直属の上司は、本人の意向と会社の期待のすり合わせをするキャリア面談を行い、
部下のキャリアをどう支援していくのかを考え、一緒に伴走していく体制をとっています。

清水:本部長や上司の方も、会社としてのミッション、課題を推進していく中で、
女性社員から生の声を聞くことができる場があることは、支援をするだけではなく、
上司の皆様にとっても、メリットがある仕組みになっていて、
良い循環がうまれていそうですね。



職場での変化・今後の取り組みについて

清水:職場で起こっている変化、周囲からの声などありましたら教えてください。

金田:研修を受けた卒業生が課長に昇格し活躍する形ができ上がってきました。
それを見ている後輩たちが、ライフイベントがあっても、
女性でも昇格できると励みになり、後輩女性社員の気持ちに変化が出て、
自身のキャリアアップの実現性に繋がっていると思います。

清水:管理職になった女性社員の皆様に変化はありましたか?

金田:管理職にならないかと声をかけられたとき、
不安はあったとしても嫌な気持ちになった人はいないと思います。
また、研修修了者のイキイキと仕事を実践する姿が、
周囲への好影響にもつながっています。
研修参加に声をかけられることは、「次世代のリーダーとして期待しているよ」
という会社のメッセージだと受け止められるようになり、
受講者は期待にこたえようと意欲的になってくれるようになりました。

清水:今後のお取り組みについて何か考えていらっしゃる事はありますか?

金田:フォロー体制(研修卒業生同士、上司の育成、風土醸成、人事のサポート)の強化、
早い段階からの仕事を通じたマネジメントスキルの向上、
女性活躍推進で培ったノウハウを対象層を拡大して活かしていく事、働き改革との連携、
女性活躍推進法によらないゴール設定など、取り組みたい事はまだまだありますね。



担当者としての
考え、思い

清水:最後にご担当者としての思いをお伺いしたいと思います。
取り組むうえでのご苦労はありましたか?

金田:DNPグループ全体がダイバーシティな風土になるには、仕組みにすることが必要です。
風土改革なので、簡単にはいかないことは承知しています。
何をすることが正解なのかわかりませんが、試行錯誤しながら取り組んでいこうと思います。

私自身、女性リーダークラスの異業種交流会に参加したことをきっかけに、
他者からの刺激とネットワークに励まされた経験から、「社内でもこんな場を作りたい!」という思いでこれまで担当してきました。
これからも、女性に限らず、組織風土や自身の自信の無さなどから、
力を発揮できずにいる社員が、持てる力を最大限に発揮できる風土、
活躍のきっかけを作っていけたらと思っています。



担当プロデューサーの声

2017年度よりDNP様のダイバーシティ推進の取り組みにかかわらせていただいております。

 

初階層別研修で、担当の金田さんとご縁があり
金田さんがダイバーシティ推進室に異動になったタイミングで今回の取り組みのご相談をいただきました。

 

今まで過去、メンター研修として実施していたものを
次世代リーダー育成研修を実施したいというご相談をいただきましたが、
リーダー教育をしたいという思いはあるものの、まだ何をしたいのかわからないという中で、
ご担当者の皆様と何度もディスカッションを重ねました。

 

担当者として携わる中でとても印象的だった場面が2つあります。

 

1つめは受講者のみなさまの様子の変化について、
なぜ自分たちが集められているのかという気持ちいっぱいの中で参加していた受講者のみなさんが、
2回目、3回目と終了した際に、当初は参加するうえでもやもやした悩みがあったけれど、
ワークショップに参加して、その悩みが払拭されました!という発信をされているシーンがありました。
初回から、なんとなく後ろ向きで参加していた受講者の方が、講師へ前向きな発言をされているのを見て、
一歩踏み出すことができたのだなと感じることができ、とてもうれしかったのを覚えています。

 

2つ目はワークで見られたポテンシャルの高さについて、
予算獲得ワークというワークを実践しているときに、受講者の皆様それぞれが
予算を獲得することに奮闘する取り組みでしたが、最終的には、
過去なかったような発想や提案がでてきたところもありチーム―ワークの良さが際立ち、
新しい発想が出てきた場面がとても印象的でした。

 

第1期が終了し、現在ではすでに2期生の活動が始まっています。
昨年は3回だったワークショップも2期生からは4回に増え取り組んでいます。
本年度のメンバーは昨年度と違い、初回から比較的取り組みに前向きな方々参加しているということもあり、
前回とはまた違った場ができてきております。

 

今後、DNP様において活躍する女性たちがどんどん増えていくよう、
今後もご担当の皆様、講師と一緒により良い機会を提供できるよう取り組んできたいと思っています。

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